meta note

MSXでがちょーん(死語)

初めてのMSXゲーム
〜The BlackOnxs(アスキー/1985年/ROM)〜

最終更新 1997.5.1


私がMSXと出会った1986年冬、限られた予算で買えるMSXを探しているときにふと目にした在庫限りの文字。1万円という破格で売られていたソニーHB-10。おまけ付きということでつい衝動買いしてしまった。で、そのおまけとはまさしくこのThe BlackOnxsだったのだ。

ところが、喜んでばかりもいられなかったのである。このThe BlackOnxsはソフトだけもらったのだ。初めて触るMSXである上に、ソフトには説明書なしとは。取りあえず何もわからないままソフトを起動させた。「どうにかなるだろう」と。

「おー、なかなかきれいだ」というのが立ちあげての感想。ところが、その後に突然よくわからないメニューが現われてきたのだ。キャラクタをつくるのとウツロの街に出るのと。「取りあえずウツロの街に出てみよう」と考えたのだが、なぜか出られない。「あ、そうか。キャラクタを作っていないのか」と思う私はかなり不安げになっていた。

「へぇー、頭の色とか服の色とか選べるのね。こりゃ楽しいっす」と適当に選ぶ。「え?RET(注:リターンキーのこと)?なんだろ?」と突然わけのわからないメッセージ。「ええい、適当に押せばいいや」と考え、適当にキーを押すと次のメッセージへと進んだ。「お、やった!」とおもったのも束の間、一向にウツロの街には入れない。このキャラクタをつくる作業(というよりもRETがリターンキーのこととわかるまで)がちゃんとできるようになるまで1週間以上悩んでしまったのである。

さて、さっそくゲーム開始!とおもいきや、「ところでこのゲーム、一体何をすればいいのだろう」と考える。そこで何気なくカーソルキーをちょこちょこ動かすと人に会ったりする。「え、コマンドが英語なの?」と当時小学6年生のわたしはちょっと参った。「じゃあ、はじめに[a]があるから押してみよう」と迷いながらaを押す。すると、逃げられてしまった。そう、このaはattackのaだったのだ。さっきの人は戦いをふっかられたので逃げたのである。…などとあれこれいじっているうちにやっとこのゲームが3DのRPGであることがわかってきた。

結構長い間、試行錯誤を繰り返し何とかゲームの全体がわかってきた。我々の目的はウツロの街にそびえ立つブラックタワーの中にある秘宝、ブラックオニキスを求めて冒険しているのだ。そのブラックタワーは暗黒に包まれている(ような感じで)不気味な感じのする建物である。まさか私がこのゲームがあんなに奥深いゲームであり、特にブラックタワーに入るまでにあんなに苦労するとは想像もつかなかったのである。

余談になるのだが、このゲームはRPGなので、当然データをセーブして中断することとし、データをロードして再開するのである。データのやりとりはテープを介して行われる。あの「ピーガラガラ…」とかいうあれである。私はこのゲームのためにソフト代を惜しんでデータレコーダを買ったのである。以前は古いカセットデッキに接続していたのだが、ロードミスになることがしばしばだったので思いきって買ったのだ。東芝のやつで12,000円。痛い出費だったなぁ。ちょっと前にMSX・FANの付録ディスクにこのゲームが載っていてデータがディスクを介して行うというすごくうれしい配慮が施されたバージョンがあった。さすがにもうやる気は失せていたので見過ごしたのだが、お持ちの方は一度プレイしてはいかがだろうか。

聞くところによるとこのThe BlackOnxsというゲームはRPGとしてはかなり傑作だそうで、特に3DのRPGの基礎となっているゲームのようである。あの原色バリバリ(死語)のウツロの街にはちょっと参ったが、私個人としてはゲームのストレスもあまり感じず、一生懸命がんばったものだ。また、自分のステータスが一目でわかり、特に自分や敵の生命力や経験値がバーで表示され、生命力の大きさやダメージの度合いがわかりやすかった。そういえば、街やダンジョンで人間と遭遇したとき、相手のステータスを見てつい引き抜きに走る(コマンドにJoin usとあり、相手を仲間に入れることができた)というのがはやったことがあった。名前がランダム(彼らの名前はアルファベットをランダムに組み合わせてつくったものだった。たとえばsfjsiofuとか)というのもなかなか味があってよかったなぁ。

ところで、ウツロの街にはいろいろなところがあった。武器や鎧が売っている店、そういえばそのなかの1つは店がつぶれいた。小技が利いているなとつい感心してしまった。病院は戦いで傷ついた体をなおしてくれた。また、体力回復の薬が売っていたのだが、この薬、はじめに容器を買わなければいけないのだ。なかなか細かくて感心してしまった。また街には銀行もあり、預金ができた。残念ながら預けたことがないのでわからないが、利息はつくのだろうか。あと刑務所とか廃虚といった怪しいところもあり、ちょっと経験値を貯めるときにお世話になった。宿屋は泊まる事はできなかったが、へやを夜這い(?)することもできた。あと、様々なところがあったが、ゲームの進行とは直接関係もなく、ただ名がついている空間があるだけだった。

かなりこのゲームの内容がわかったところで、地下に潜れる階段(だったっけ?)を発見した。「お!地下に潜れる」胸は高まるばかり。しかしちょっと歩いていると不気味な敵に遭遇。「やっとRPGらしくなってきたぞ」とちょっと興奮。しかし敵のあまりの強さにあえなく全滅。いままでの興奮は一気にさめてしまった。「うーん、どうすればいいものか」と悩んだ末、私は恐ろしい技を考えついた。名づけて「見殺し戦法」である。はじめに5人でパーティーを組んではじめ、その中からHPの多いやつ2人を選ぶ。そこでその2人に残った3人のお金で武器を買ってあげる。そして残りの3人を戦闘で殺して新しい人(街で声を掛けて)を仲間にするといったせこいやり方なのだ。そのかいあって地下の敵を難なく倒し、ダンジョンの奥深くは進んで行けたのである。

(以下制作中 少々お待ちください)


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