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GEMINI de GOGO!! このサイトでのいすゞ車の呼び方〜いすゞ車のちょっとした歴史〜

最終更新;2003.8.1

 ジェミニについて(1) PFジェミニ  ジェミニ誕生!
  • 1974年10月、いすゞ自動車(以下いすゞ)はベレットの後継としてベレットジェミニ(以下PFジェミニ=形式名がPFのため、こう呼んでいる)を発売しました。この車は資本関係にあるGMの国際戦略車として開発されたOPELカデットをベースに、日本販売向けに手直しをしたもの。ちなみに、ジェミニの名の由来は「双子座より由来。いすゞとGMとの携帯により共同開発されたグローバルカーがいすゞとお客様を信頼で結ぶことを願った名称」だそうです(いすゞホームページより抜粋)。ちなみに、ベレットジェミニの名は、しばらくしてただのジェミニに変更されました。
  • 意匠はドイツのOPELによるもので、お国柄といいますか、機能美を前面に出した印象を受けます。セダンとクーペの2つのボディーを持ち、駆動方式はFR。エンジンはSOHCガソリン、そして「いすゞ=ディーゼル」という図式を作った傑作ディーゼルおよび同ターボ、そしてホットモデルZZ(ダブルズィー)に搭載されたDOHCガソリンの3タイプが用意されました。特にディーゼルはQOSという、余熱時間をほとんどなくした画期的なシステムを搭載し、ディーゼルをより扱いやすくしました。
  • PFジェミニこの車は約12年と長い間販売されたため、細かいマイナーチェンジを受けています。特にフロント周りはかなり大きく変えられたため、それぞれ賛否両論があったようです。以下はフロント周りの変更履歴です。個人的には右の写真、初期の意匠が大好きです。 ^^;)
     1.(登場時)逆スラントノーズ、丸目2灯
     2.(PF60登場時)逆スラントノーズ、角目2灯
     3.(1979年マイナーチェンジ時)スラントノーズ、角目・丸目2灯
      *ヘッドライト形状はグレードにより異なる
     4.(1981年マイナーチェンジ時)スラントノーズ、異形2灯
  • 1985年5月に2代目となるFFジェミニが発売されますが、ホットモデルのZZのみ1986年頃まで販売が継続されました。販売台数は768.537台(いすゞホームページのデータより)。
 ジェミニについて(2) JT0ジェミニ  街の遊撃手が飛ぶ! 回る!
  • 長い間発売されれきたFR駆動のPFジェミニから、FF駆動のFFジェミニ(以下JT0ジェミニ=形式名がJTxx0のため、こう呼んでいる)にモデルチェンジし、1985年5月より発売しました。今回はGMの国際戦略車というわけではなく、いすゞ独自の設計だそうです。ちなみに、FFジェミニの名も後にただのジェミニに変更されています。これは発売当時PFジェミニのZZが併売されていたため。キャッチ・フレーズはおなじみ「街の遊撃手」。
  • この車はこれまでの意匠とは大きくかわり、ヨーロッパの小型車のような感じになりました。デザインは117クーペやピアッツァでいすゞとは何かと縁があるイタルデザインのジョルジオット・ジウジアーロによるものらしい(ただし、いすゞでは公表していない)。ちなみに、JT0ジェミニは1985年のグッド・デザイン賞をもらっています。ボディーはセダンとハッチバックの2つ、駆動方式はFF。エンジンはSOHCガソリンおよび同ターボ、ディーゼルおよび同ターボ、そしてhandling by LOTUSやirmscherに搭載されたDOHCガソリンと、バリエーションは多彩でした。
  • 約5年の短いモデルのため、マイナーチェンジは少なかったです。以下は大きな変更箇所です。初回の変更がかなり大きく、印象が結構変わりました。
     1987年2月 フロントヘッドライト形状およびグリルの変更(いわゆるつり目)、メーター周りの意匠変更
     1989年2月 リアの意匠変更(ナンバープレートをバンパーに移動)、サイドフラッシャー位置変更
  • このJT0を一躍有名にしたのが、あのアクロバットCMです。パリをはじめとしたヨーロッパの街の中で数台のジェミニが一糸乱れることなく走行するあのCMには驚かされました。バリエーションもかなり豊富で、2台のジェミニが完璧に併走して最後にターンするものとか、数台のジェミニがジャンプして交差するものとか、なぜか地下鉄のホームを華麗に走るものとか(笑)、あと片輪走行なんてのもありましたね。当時の番組でCMメイキングを見たのですが、撮影はかなり大変なようで、撮影中にジェミニを壊して日本からわざわざ送ってもらったというエピソードもあったそうです。
  • このJT0ジェミニには、いすゞが開発した自動制御MT、NAVI-5が搭載されたモデルが登場しました。乗用車ではアスカに次ぐ設定です。MTのシフト操作をすべて自動化するもので、HSA(坂道発進補助装置)との組み合わせでNAVI-5はAT感覚で運転できたようです。で、一時は結構話題にのぼりましたが、まだ完成の域には達しておらず、人気はいまひとつ。その後のJT1ジェミニ(後述)には搭載されませんでした。 
  • JT0ジェミニでは、2つのホットモデルが発売されました。1つは走り重視のirmscher。先に登場したアスカ、ピアッツァに続く設定になりました。GM系OPELのチューニング・メーカーであるirmscherが足周りを調整、地面を這うような走りは安定感十分で、特に直進安定性は特筆するところだとか。内装は黒でまとめられ、ステアリングにはMOMOを、フロントのシートにRECAROを採用しました。外装は専用エアロパーツが用意され、気合い十分(笑)でした。irmscherは、初期のころはSOHCターボが採用され、そのターボはいわゆるどっかんターボ(笑)。車体の軽さとも相まってかなり走りが楽しめるとのこと。irmscherには後にDOHCも設定されました。
  • JT0ジェミニそしてもう1つが我らの(笑)handling by LOTUS(以下h.b.L.)です。GMの資本提携を受けたイギリスのロータス・パブリック社が足周りを調整。その証明でもあるh.b.L.オーナメントが燦然と輝きます(これはロータスの厳しい基準があるらしい)。また新開発のDOHCエンジンを初搭載。当時クラス最高の135psを発生させました。内装はirmscher同様MOMOステ+RECAROの組み合わせで、外装は同色バンパーとリアスポイラーとおとなしめな感じです。
     ちなみに、h.b.L.にDOHCエンジンを載せたのにはちょっとわけありのようで、当時開発されていた次期エランにいすゞ製の同エンジンを載せたいとの思惑があってのことのようです。実際にそのエンジンは載って発売されたのですが、売れなかったようです(泣)。
  • JT0ジェミニは1990年頃までの5年間に、748.216台を売り上げました(いすゞホームページのデータより)。
 ジェミニについて(3) JT1ジェミニ  才なクルマとニシボリック・サスペンション…
  • 1990年3月、ジェミニがフルモデルチェンジし、「才なクルマ」の愛称を持つFF2代目のジェミニとなりました(以下JT1ジェミニ=形式名がJTxx1のためこう呼んでいる)。カプセルシェイプという発想から考え出されたボディーは5ナンバー枠をたっぷり使い、どことなくアメリカぽさを感じる意匠でした。GMのカマロのデザイナーのものではないかと言われたみたいですが、いすゞ内部のものだとされています。
  • JT1ジェミニJT0のボディはセダン、ハッチバックそしてクーペの3つがあり、特にハッチバックは個性が強く、意見が分かれるところです。正直な話、ハッチバック登場時には「こんなへんな形、だれが乗るのか」なんて言った記憶があるのですが、改めて今見てみるとかえって斬新に見え、特にリアの意匠は迫力があり、かっこいいです(笑)。かなり先進的なものだったのかもしれませんね。エンジンはSOHCガソリン、DOHCガソリンそしてクラス最高180psを発生させたDOHCガソリンターボ、ディーゼル、同ターボと多彩です。特にDOHCターボは97年までクラストップを維持していたというから驚きです。駆動方式はFFですが、irmscher-Rモデルには4WDが採用されました。
  • JT1を語る上で忘れてはいけないのがナチュラル4WSシステム「ニシボリック・サスペンション」です。複雑な機械に頼ることなく、安全に車の向きを変えることができるシステムで画期的だったのですが、あまり評判は良くなく、かえって危険だという評論家もいたとか。ちなみに、ディーラー代車でJT641を乗ったときは曲がるときに通常とちょっと感覚が違うような感じ(ハンドルが戻りたがるような感じ?)を受けました。なれればさほど気になるものではありませんでしたが。ちなみに、命名の由来は開発者が西堀さんだったからだとか。うーん…。
  • また、JT1ジェミニのクーペを流用して、2代目ピアッツァ(JTピアッツァ=形式名がJTのため、こう呼んでいる)を発売したが、先代のピアッツァ(JRピアッツァ=形式名がJRのため、こう呼んでいる)の意匠からかなり変更されてしまったので、酷評を買い、売れませんでした。ちなみにP.A.NEROも同様の結果となりました。
  • そして1993年9月、いすゞは乗用車の生産を中止。JT1はこの4年間に406.625台販売されました(いすホームページのデータより)。
 ジェミニについて(4) OEMジェミニ  その後のジェミニ…
  • MJジェミニ乗用車生産を中止したいすゞは、本田技研のドマーニをジェミニ(MJジェミニ=形式名がMJのため、こう呼んでいる)と冠してOEM販売しました。本田技研にしては地味なセダンで、そこが何ともぴったりあてはまる感じで、ジェミニをOEMするためにラインナップされた車じゃないかとまじめに思うほどでした。MJジェミニは1997年にモデルチェンジをしながら2000年まで販売されました。残念なことに、ジェミニという車はもう販売していません(号泣)。
    ちなみに、本田技研との相互OEMは、以下のようになります。本田技研はこのOEMを生かしてか、後に様々な内製SUV車を世に送り出しています。
     1.ジェミニ <- ドマーニ
     2.アスカ <- アコード
     3.ビックホーン -> ホライズン
     4.ミュー -> ジャズ
  • 実はMJジェミニは意外に好評のようで、くせのない標準的なセダンとして受け入れられたようです。実際、ディーラーの代車でMJジェミニを乗ったのですが、本当に普通のセダン。逆に言えば、特徴のない車なのですがね。いまでも結構街で見かけることも多いです。
  • 少しジェミニとは話がそれるのですが、昔ジェミネット、ジェミネットIIなる商用車をいすゞは販売しています。どれもOEM車で、ジェミネットがスズキのカルタス、ジェミネットIIが富士重工業のレオーネとなっています。今見るとどちらもGM系というのが面白いですね。でも、実際に走っているところを見たのは今のところ数回だけですけど(笑)。
 その他に出てくるいすゞ車  これで少しはいすゞの歴史がわかるかも(笑)
このサイトでの呼び名 一口メモ
ベレットGT GTと名付けた日本初の車。DOHCエンジンにオレンジと黒のボディが印象的なベレットGT-Rは有名。PFジェミニがその跡を継ぐ。
MJジェミニ 乗用車部門の自社開発を終了した93年から2000年まで本田技研のドマーニをOEMして販売していたジェミニ。普通の車。
117クーペ ジウジアーロの名車。初期のハンドメイドボディが話題を呼ぶ。
JRピアッツァ ジウジアーロの名車。近未来を思わせるコックピットも斬新。走り去る姿はかっこいい。 ^^;)
JTピアッツァ JT1ジェミニを流用して販売。JRピアッツァのイメージを引き継げずに苦労する。
PAネロ ピアッツァのヤナセ版。細かいところは違うらしい。
フローリアン いすゞ社員しか買わなかったと言われるほど(笑)人気の無かった車。これもジウジアーロによるものらしい。アスカがその跡を継ぐ。
アスカ フローリアンの後継車。イルムシャーモデルはかっこいい。NAVI-5装着モデルあり。
ビッグホーン いすゞSUVのフラッグシップ。2002年に新型が発売されると噂されながら、販売を終了した。
ミュー(mu) どちらかというとポップな感じのSUV。初期型のミューはBピラーのデザインが特徴(欠点?)。本田技研がジャズとしてOEM販売していたのが懐かしい。
最終型のミューは米スバルとの合弁工場(現在は米スバル単独の工場)で作られていました。Bピラーの意匠が秀逸。欲しいです。 ^^;)
ビークロス モーターショーのコンセプトカーがそのまま発売された感じの車。浮世離れした(笑)意匠とカラーリングが魅力。現在は国内販売を中止したが、米国では元気に販売しているらしい。
エルフUTバン 30数年小型トラック売り上げNo.1のエルフのセミキャブオーバパネルバン。ちなみにそれを西日本車体が改造し、エルフUTバスとして売り出しています。
BU04
(BU型路線バス)
LV型路線バスの前の形式、BU型のうちのひとつ。車内放送もかき消すほどの豪快なエンジン音が魅力(笑)。BU04乗りたさに那覇交通に乗るマニアもいるらしい。
LV719N
(LV型大型観光バス)
大型観光バスGALAの前、スーパークルーザーと呼ばれた頃のバス。那覇交通の路線車で使われてたものはSHD(スーパー・ハイ・デッカー)。UFC(アンダー・フロア・コックピット)構造のバスを日本で初めてつくった。
CHASSE
(シャッセ)
低公害バス試作品。畜圧式ハイブリットシステムでエネルギーを回生し、低公害化する仕組み。コスト高に加えて、最近の低床化に対応できず、本形式を取得することなく開発中止。大都市の公営バス等でたまに見かけることがある。
エルガミオ
(LR型路線バス)
1999年にフルモデルチェンジしたLR型路線バス。縦目4灯が目新しい。MR型の開発中止で空白になっていた7m小型路線バスの復活は大変うれしかったが早々とラインナップから外れる(涙)。
因みに、LV型路線バスの新作、エルガも発売になりました。
那覇交通仕様トミカ
(おまけ・ネットオークションで落札したホワイトトミカ、
いすゞスーパーハイデッカーを那覇交通カラーに仕立ててみました)

車よりバスの方の解説が細かいのはご愛敬ということで。 ^^;)

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