沖縄本島の路線バスについての基礎知識
最終更新:2008.8.25
沖縄本島の路線バスのしくみ、特徴、慣習などについて簡単に説明しています
路線バス 事業者 |
沖縄本島の路線バス事業者は「琉球バス交通(2006年9月琉球バスより経営譲渡)」「沖縄バス」「那覇バス(2004年7月那覇交通より経営譲渡)」「東陽バス」の4社で、自治体(国頭村など)によっては村営バスなどが運行されています。 主な運行エリアは琉球バス交通、沖縄バスは本島をほぼ全域カバーし、北部の路線はその2事業者で共同運行されています。那覇バスは那覇市のほぼ全域をカバーする市内線と、市外線として南部の西側、中部で運行しています。東陽バスは南部の東側と中部で運行しており、特に中部では多くの路線を張り巡らせています。 |
市内線と 市外線 |
沖縄では「市内線」と「市外線」と呼ばれるバスが存在します。 市内線とは那覇市内のほぼ全域をカバーし、原則単一料金制(大人200円・小児100円。1998年6月1日改訂)で前払いとなっています。かつて市内線は那覇バスのみの運行でしたが、最近では沖縄バスもゆいレール首里駅を中心に運行しています。また、系統の統廃合により市内線でも単一料金ではない系統、市内線でも2扉車を採用していない系統も出てきています。 上記単一料金制(大人200円)、2扉車を使用していないない系統は以下の通りです。(2008年8月現在) ・8系統首里城下町線(沖縄バス) 単一料金制(大人100円) ・10系統牧志新都心線(那覇バス) 多区間料金制(メディカルセンター-おもろまち区間内は大人100円、それ以外は200円)で後払い、整理券方式 ・18系統首里駅線/19系統首里駅おもろまち線(沖縄バス) 1扉車(おそらく前払い) ![]() 市内線では車内でも購入できる回数券があります。1,000円と買いやすい価格になっています。1998年6月1日の運賃改定より、市内線回数券は市内線区間であれば市外線でも利用できるようになりました。また那覇バス市内線1日フリーパスなどもあります。 市内線の主な営業所は新川(2006年9月三重城より移転)、石嶺、具志の3つ。 一方、市外線ですが、市内線と重複するところもありますが、市内線以外の全路線です(当たり前ですが)。整理券方式の多区間料金制をとっています。初乗りは大人140円(小児70円)ですが、市内線の適用範囲(上記記載)内では初乗りが大人200円(小児100円)となります(1998年6月1日運賃改定)。 車両はすべて1扉で運用され、乗車時に整理券を必ず取り(始発地でも取る)、降車時に運賃表と照合し、整理券と一緒に運賃箱に投入します。また、琉球バス交通の一部路線(23、55、98、111系統の一部)では整理券番号を読みとり、釣り銭を出すことのできる運賃箱が備わっていましたが、運賃箱更新にともない現在は釣銭式に変更されたようです。 沖縄本島の路線バス系統の特徴として、長距離路線が多数存在すること、南北に長い地形のため競合路線が多いことが挙げられます。あと、路線には共通の系統番号が付されていますが、新規路線では未使用の番号を埋めるように使用され、また最近ではモノレールおもろまち駅発着の路線で200番台の系統番号が登場し、ややこしいことこの上ありません。ちなみに、系統番号は市内線が1-19、市外線それ以降の番号が使用されています。 市外線のメイン(?)は那覇市旭町にある那覇バスターミナルで、那覇発着の路線はほとんどここに集まります。ちょっと寂れた感はありますが、4事業者の車両がひっきりなし(ちょっと大げさ)に走り回っているのを見ることが出来ます。 ![]() |
とにかく 乗るには |
これは沖縄だけと思っていますが、目当てのバスが来たときには軽く手を挙げてバスに乗る意志を伝えましょう。そうしないといつまでたってもバスは止まってくれない(ことがほとんど)です。一応運転士によってはクラクションを鳴らして(個人的にあまり感心できませんが)バス停で待つ利用者に注意を引きつけることはあります。その時には乗る意志、乗らない意志を表しましょう。乗るならば軽く手を挙げて、乗らないならバスを見つめない、手で乗らないことを指示するなどの表現方法があります。 最近のバス停には「手を挙げる必要はありません」と表示があるそうです。県バス協会や事業者ではバス停に利用者がいれば必ず停車し、案内を行うように指導しているそうです。ただ、かなりの苦情(通過による苦情)があるそうで、定着にはまだ時間がかかりそうです。 沖縄ではバス停に順番に並んで待つということはほとんどありません。皆バス停の周りで思い思いに待っていて、目当てのバスが近づいてきたらぱらぱらと集まってくるのが一般的なようです。「一番先に来たのに、先に乗れなかった」と怒らないよう、ゆずり合いの心で楽しくバスに乗りましょう。 |
バス停 |
![]() ![]() 系統図には周辺路線の全停留所が記載され、事業者ごとに色分けされた県外の事業者に比べても全く見劣りのしないよくできた系統図に仕上がっています。また通過予定表も各社機械で出力された立派な予定表になっています。しかし、なかなか定時運行が出来ないことが残念なところです。また、ひどいときには予定通過時刻よりも早く通過してしまうことがあります。それだけは勘弁してもらいたいですよね。…乗るときは時間に余裕を持って乗りましょう。 沖縄のバス停は4社共通に使用しているため、便利ですがたくさんの路線が運行されているバス停は通過予定表等を貼るスペースが足りなかったりしています。一部のバス停ではひとまわり大きなバス停を使い始めたり、広告塔付きバス案内板(時計付き)を採用したりと、バスのインフォメーションには近年、かなり力を入れているようです(ただし、最近は時刻表の更新等の問題から減少する傾向にあるらしい…)。 近年、那覇バスではGPSを利用したバスロケーションシステムを採用し、主要停留所では接近案内表示つきのバス停が設置されています。 |
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